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プレスリリース「平成11年8月17日 中日新聞」

頑張ってます 中部の元気企業
環境ビジネス 8
ごみの山は“宝の山”
発想転換で人気商品

(前略)
土の代わりに産業廃棄物を再利用し、二酸化炭素による地球温暖化を考慮して焼かずにつくるれんがを商品化したのがタイルメーカーの亀井製陶(岐阜県笠原町)。

焼かないれんがづくりは焼き物の町にあって常識を覆す。山を切り開いて土を採取することもなく、自然を残せる。焼き物の既成概念をすべて打ち破った。

れんがの原料は、下水道汚泥の焼却灰、石炭火力発電所から排出される石炭灰などの産業廃棄物。試行錯誤を続けた5年の研究期間を経て、伝統的な窯業技術と特殊固化技術をミックスさせることに成功した。

れんがの風合いを損なわず、強度も環境庁の安全基準をクリア。価格も1m2当たり4500円と既製品に比べて対等に競争できる。現在の生産量は月間50万個。名古屋市などの大手ホームセンターを中心に販売しており好調だ。

1カ月に約1000トン受け入れている産業廃棄物の“仕入れ先”は、名古屋市や岐阜市などの地方自治体のほか、中部電力碧南火力発電所、トヨタ自動車などの製造業。いずれも廃棄物の処理に困っているところばかりで、引き受け依頼は増える一方。「生産工場の増設も検討中」(亀井宏明社長)という。

* * *

廃棄物のリサイクル化などに目を付けたベンチャー企業がそろって頭を悩ますのは、製品がコスト高になってしまったり、販売ルートの確保が容易でないことだという。このため技術・開発力はあっても、涙をのむ企業は少なくない。

通産省は7月、廃棄物の排出抑制、再利用を促進する方針を打ち出した。21世紀のキーワードである「環境」をいかに取り込み、企業経営に生かしていくか。それを探り当てた企業こそが、環境社会の本流になり得る。

(平成11年8月17日 中日新聞)

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